「北京五輪における精神障害者・性感染症患者の入国禁止措置に反対する声明」への賛同のお願い
中国政府は、北京オリンピックに際するハンセン病・精神障害・性感染症・開放性肺結核の患者の入国禁止措置について、7月23日、ハンセン病患者に限って撤回することを発表しました。しかし、これで問題は解決しておりません。私たちは、このままでは精神障害者・性感染症患者への差別を容認することになると思い、別紙のような声明を用意いたしました。これは、中国大使館への新たな「要望書」を送付した後、8月8日に公表する予定でおります。しかし、これを富山という一地方の声にせず、全国の大勢の方々の声にしたいと思い、以下の要領で、賛同者を募ることにいたしました。どうか、「声明」の趣旨に賛同される方々は、その旨をお知らせください。今回の問題でハンセン病・精神障害者・性感染症患者への差別の連鎖を固定させることなく、それを打破し、解放に向けた連帯の連鎖をつくっていきたいと思います。
賛同される方へ
お名前(居住もしくは主たる活動拠点とされている都道府県・肩書き)をお知らせください。メールまたはファクスで下記にお願いします。恐縮ですが、北京オリンピック開会が迫っておりますので、締め切りは8月7日までとさせていただきます。
お名前と都道府県・肩書きを8月8日に記者会見などで発表させていただきます。御住所・電話番号・メールアドレスなどは公表いたしません。
ハンセン病問題ふるさとネットワーク富山
事務局 〒933-0878 富山県高岡市東上関446 浄土真宗高岡教区教務所
(担当 浜野 090-2030-1063 FAX0766-21-5152 nobu-h@p1.coralnet.or.jp)
○駐日中国大使への要望書
中華人民共和国駐日本国特命全権大使 崔天凱閣下
時下猛暑の候、閣下におかれては日中友好のためご尽力下さり、心より感謝いたします。私たちは、富山県において、ハンセン病患者・回復者への差別解消と、回復者支援の運動をおこなっている市民団体です。私たちは、去る6月11日、6月2日付で貴国北京五輪組織委員会が発表された「五輪期間における外国人出入国・中国滞在期間に関する法律指針」に記されていた「精神病・ハンセン病・性病・開放性肺結核の伝染病に罹患している」外国人の五輪開催期間中の入国禁止規定について、その撤回を要請いたしました。この件に関しまして、7月20日付で貴国国家品質監督検査検疫総局が、ハンセン病患者についてのみ入国禁止を撤回することと決定されました。私たちはこの決定を諒とするものですが、なぜ、精神障害者や性感染症患者の入国禁止については撤回なさらないのでしょうか。
このような措置は、医学的に必要でないばかりではなく、精神障害者、エイズなど性感染症患者への恐怖感を生み、差別・偏見を助長するものであります。こうした疾病の患者・回復者への差別・偏見をなくすことは、日本国内でも、また世界でも主要な世論となっております。どうか、貴国政府および北京五輪組織委員会に対し、精神障害者、性感染症患者に対する入国禁止措置を撤回するよう、閣下からもお伝えください。そして、こうした病者・障害者の方々も北京オリンピックを楽しく観戦できるよう、ご配慮いただきたく思います。
私たちは、平和の祭典として、心より北京オリンピックの成功をお祈りしております。
2008年7月31日
ハンセン病問題ふるさとネットワーク富山
事務局 〒933-0878 富山県高岡市東上関446 浄土真宗高岡教区教務所
(担当 浜野 090-2030-1063 FAX0766-21-5152 nobu-h@p1.coralnet.or.jp)
○北京五輪における精神障害者・性感染症患者の入国禁止措置に反対する声明
ハンセン病・精神障害・性感染症をめぐる差別の連鎖を断ち切るために!
6月2日に北京五輪組織委員会が発表した「五輪期間における外国人出入国・中国滞在期間に関する法律指針」には、「五輪開催期間中の入国が禁止される」外国人として「精神病・ハンセン病・性病・開放性肺結核の伝染病に罹患している」者が一律に挙げられておりました。これは、通常、「外国人出入国管理法」の「細則」にもとづき、定住と1年以上の長期滞在の希望者に対してなされていた措置を、オリンピック観戦の一般観光客にも適用するというもので、私たちはこれを読み、驚きを禁じえませんでした。「細則」はもちろんのこと、オリンピック期間中を対象にしたこのような「指針」は医学的根拠を欠くばかりではなく、これらの病者・障害者に対する恐怖感を煽り、差別を助長するものだからです。
そこで、6月11日、私たちは、こうした措置を撤回するよう求める「要望書」を中国大使館に送付するとともに、日本オリンピック委員会にも北京五輪組織委員会に撤回を求める「要望書」を送りました。さらに、6月19日に日本ハンセン病学会に、23日に北京五輪組織委員会・国際オリンピック委員会・国際ハンセン病学会・世界保健機構(WHO)に、6月24日には厚生労働省にも、それぞれ同様の「要望書」を送付しました。さらに、全国にも撤回を求める声は広まり、ハンセン病市民学会をはじめ、日本障害フォーラム・富山「精神障害者」問題を考える会・日本財団・民主党なども撤回の要望をおこなってくださり、その結果、7月15日に開かれた外務省審議官級の『第4回日中人権対話』でも撤回を拒否していた中国の態度が大きく変わり、7月23日、中国国家品質監督検査検疫総局は、7月20日付でハンセン病患者についてのみ入国禁止を撤回することにしたと発表しました。
私たちは、この発表を諒とはいたしますが、中国政府の発表には差別を助長するような指針を示したことへの謝罪の言葉がないこと、しかもハンセン病以外の病者・障害者へ入国禁止措置の撤回がないことの2点については到底、承服できかねます。しかし、世論はおおむね中国側の発表を歓迎し、その英断に感謝するという趣旨であり、この発表をもって問題は解決したかのごとき状況が生まれております。
これに対して、私たちは、7月31日、あらためて中国大使館に精神障害者と性感染症患者への入国禁止措置を撤回するよう要望いたしました。今、私たちがハンセン病患者への入国禁止措置の撤回をもって抗議の声を収めるならば、それは精神障害者や性感染症患者への差別を容認したことになります。差別の連鎖を断ち切り、共なる解放に向けた連鎖をつくり上げるため、私たちは、中国政府による精神障害者・性感染症患者への一律の入国禁止措置が大きな誤りであり、「細則」を含めて即座に撤回するべきであることを、広く訴えます。
2008年8月8日
ハンセン病問題ふるさとネットワーク富山
コメントを残す