7周年記念シンポジウム

前売りチケットを1300円で販売しています
みなさまぜひ ご参加ください!!
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趣 意 書
2001年5月11日、熊本地裁は、ハンセン病患者・回復者に対する絶対隔離を規定した「らい予防法」は憲法違反であるとして、国に賠償を命じる判決を下しました。これをもってハンセン病患者・回復者の人権が回復されたかに思えました。しかし、判決から2年半が経過した2003年11月、熊本県のホテルが、菊池恵楓園に入所するハンセン病回復者の宿泊を拒否する事件が起こり、さらに、それに抗議した同園入所者自治会に対して差別的な手紙や電話が殺到し、私たちはあらためてハンセン病問題が未解決であることを痛感しました。
今、全国の国立・私立のハンセン病療養所には約2800名の方が入所していますが、その多くがふるさとに帰ることができず、家族や親族とも会えない状態におかれています。各療養所の納骨堂にはふるさとの墓に帰れないたくさんの遺骨が眠っています。富山県出身者の多くもふるさとに帰ることができません。今なおこうした状態が続くのは、国の誤った絶対隔離政策のもとで自治体が患者の摘発を進め、地域住民もこれに協力したからです。したがって、ハンセン病回復者への差別を一掃し、ふるさとに自由に帰られる社会をつくることは、国・自治体の責務でもあり、私たちひとりひとりの課題でもあります。
今、全国のハンセン病療養所では入所者の高齢化とそれによる減少が進み、国の統廃合政策により療養所の存続が危機にさらされています。これに対し、「ハンセン病問題基本法」を制定し、各療養所を地域に開かれた医療・福祉機関に発展させる将来構想の具体化が緊急の課題となっています。同時に、日本の旧植民地・占領地で隔離されたアジア・太平洋地域のハンセン病回復者への補償、そして患者同様の差別を受けてきた家族への補償にも目を向けなければなりません。
私たちは、来たる6月21日、熊本地裁判決の勝訴7周年を記念し、映画「新・あつい壁」上映とパネルデスカッションによるシンポジウムを開催いたします。「新・あつい壁」は、ひとりの青年が、ハンセン病患者であることを理由に憲法に保障された裁判を受ける権利さえ奪われ、無実を訴えつつ死刑に処せられるという実際にあった事件をテーマにしたものです。そこには患者家族の苦悩も描かれています。そして、デスカッションには、ハンセン病患者家族・遺族の会である「れんげ草の会」副会長の宮里良子さんをお招きし、映画を通して患者家族への差別被害について考える予定になっています。
どうぞ、多くの方が、このシンポジウムに参加され、ハンセン病問題の根本的解決と、県出身回復者の方々とふるさと富山を結ぶ絆が一層強くなることをを切望し、心よりお願い申し上げます。
2008年5月13日
ハンセン病問題ふるさとネットワーク富山

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