療養所入所者協の代表ら、県庁訪問

ハンセン病:「基本法制定に支援を」 療養所入所者協の代表ら、県庁訪問 /富山
 ◇患者の窮状、実態への理解訴え
 全国ハンセン病療養所入所者協議会事務局長の神(こう)美知宏さん(73)=東京都東村山市=が7日、富山県庁を訪れ、椎葉茂樹・厚生部長と会談。全国13カ所の国立ハンセン病療養所の入所者が終生安心して生活できるよう「ハンセン病問題基本法」の制定に理解と支援を求めた。【青山郁子】
 国の強制隔離政策で療養所入所者は生涯退所させないとされ、症状が回復しても多くが療養所内で亡くなり、家族とのきずなも断たれているのが現状。近年は入所者減により療養所の医療、看護体制も縮小され、内科医がいない所もある。
 同協議会は、療養所を医療、老人福祉施設として地域に開放することなどを提案。現在の法律では入所者以外の人への医療行為を禁じているため、新たな法制定を求め、国や自治体などに働きかけている。
 この日、神さんは「ハンセン病問題ふるさとネットワーク富山」代表の藤野豊・富山国際大准教授ら6人と来庁。「(患者を全員隔離する)無らい県運動は全国津々浦々で行われ、療養所のない県でも無関係ではない。解決には市民が実態を認識することが重要」と啓発活動に理解と協力を求めた。
 これに、椎葉部長は「富山県でも入所者が年1回里帰りしており、趣旨は理解した。県民に知ってもらうよう努めたい」と答えた。
 来年は療養所開設から100年にあたるといい、同ネットワークは国会に働きかけるための100万人署名活動も展開。藤野代表は「問題の解決には法制定しかない。市民と行政が一体となって運動を盛り上げて」と訴えている。
毎日新聞 2008年3月8日

http://mainichi.jp/area/toyama/news/20080308ddlk16040673000c.html

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