四日の年始客
今年初めての月参りを終えて帰ってきたら、近所のじいさんが本堂に入っていく。
ちょうどウチが留守になっていて、慌てて座敷のファンヒーターを付け、私ひとりで出迎える。
このじいさん、玉永寺にたびたびお見えになるが、いつも顔見知りのお手次ぎ寺院の悪口を延々と述べられる。
一昨年だったか、そのしつこいことにこちらが切れてしまい、ケンカ口論したことだ。
お茶をお出しして、ただ相槌を入れつつ、相変わらずの話を聞いていた。
ふと、「本堂でおまいりをしてほしい」と頼まれる。
思わず、「なんでですか?」というおかしなことを聞いたりしたが、まぁおっしゃるとおりにした。
「ありがとうございました」と、そのまま自転車でお帰りになられた。
やれやれと休んでいたら、ふたたびお見えになり、「お布施を渡すのを忘れた」と。
ちょうど帰ってきた母と、外て30分ほど歓談して帰られた。
なにを話していたのか母に聞いたが、「なにを言いたいのか半分も分からなかった」とのことだった。
じっさい、世の中にはいろんな想定外の人がいる。
「他者を尊重する」なんてカッコのいいことが、いつでも言えるわけでもない現実。
私の差別心を想定して蓮如さんは「仏法は、知りそうもなきものが知るぞ」と、諭してくださったのか。
なんてね。
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