通信22号

かさじぞう

1214日に「さようならと感謝のつどい」を開催しました。子ども会のみんなで、地域の老人クラブの方々を招待し、いっしょにゲームをしたり食事をして楽しみます。ピアノ演奏や子供たちに一人一芸を披露してもらうということもやっていますが、写真は小学四年生の子供たちが中心になって演じた音楽劇、「かさ地蔵」のワンシーンです。

感心したのは、この劇の企画・構成・演出をすべて子供たちがやったことです。お年寄りの方々に楽しんでもらえるようなものをやりたいと、話し合って演目を選び、なんどか寺に集まって練習、準備をして、当日をむかえたのでした。子供たちのやる気がこもっていたのでしょう。とても分かりやすく、面白い劇になりました。生き生きとした演技にみんな大笑いし、感動しました。

言われたことだけではなくて、自分たちで何かをやってみよう。そんな気持ちに拍手したい。その気持ちをずっと、忘れないでいてほしいと思います。                            
(正穂)
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住職便り
●あけましておめでとうございます。昨年中は大変お世話になりありがとうございました。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。21世紀は平和な時代であってほしいと願ったことでしたが、残念な年となりました。今もイラク、北朝鮮との関係がどうなるのか心配になります。
また日本経済の不安定、リストラ、失業、就職の困難、犯罪の増加など暗い世相ですが、今年は少しでも明るい方向が見えることを願っています。

●2002年の世相をもっとも象徴する「今年の漢字」に「帰」が決まったと発表されました。これは北朝鮮に拉致され二十四年ぶりに帰国した五人のニュースが反映したものと解説されています。
しかしそれだけでもなく、経済の問題にしても、教育の問題にしても、ギシギシした人間関係にしても、本当に帰るところに帰り安心したいとの願いが、「帰」の一字を選んだものだと受け止めています。
善導大師が「帰去来、さあ帰ろう。よその世界にいつまでもとどまっているべきではない。仏にしたがって本来の家に帰るのだ。本来の国に還れば、あらゆる行いも願いも自然に満ち足りるのだ」と、呼びかけて下さっている意味がどこにあるのか、この現実と向き合って確認する大切な宿題が与えられた思いです。

●十月二十日午後より二十一日の両日、あいにくの冷たい雨でしたが、親鸞聖人のご遺徳を偲ぶ、報恩講を勤修しました。 今年は特に二十日午前は、玉永寺佛教婦人会の総会と物故者追恩法要を勤め、午後から会員一同が報恩講に参列、高岡教区駐在、岡崎幸孝師の法話を拝聴しました。近年報恩講の参詣が少なくなりました。すこしでもご縁を結んでいただきたいと婦人会の委員が計画されたものです。
真宗教団は報恩講教団だといわれ、真宗門徒にとって報恩講が一番大切な御仏事として勤修してきた700年の歴史の中に、何が願われているかを問うことの大切さを思います。

●先日、先祖が北海道に移住された家の、柳瀬守生様から便りが届きました。その中に「秋にはノーベル賞を田中さんが受けられ富山県人のお人柄が御地の風土に代表されるものと、私共もうれしいことと思いました」とありました。
風土は一日一日を報恩の行として生活した、真宗門徒の生活文化が作り出したものが多くあると思います。
田中さんが実験に失敗し、それに使った材料を捨てるのが「もったいない」と新たな方法で実験した、その結果が大発見につながったと語られました。ある新聞が「もったいない」と意外な言葉が田中さんの口から出たと書いています。しかしこの言葉は、ごく最近まで一般によく使われけっして意外な言葉でなかったはずです。
消費生活が当たり前になっている今日、「もったいない」といって、お念仏と共に生活した先祖が見つめていたものが、見えなくなったようです。物だけではない、いただいたいのちの「もったいなさ」に違いありません。殺人、自然、公害、自然破壊など次々と起こる現実。「もったいない」と知らず知らずの間に育てて下さる風土がもはや枯渇してしまったのでしょうか。

●十月二十日、報恩講の清掃とおときの準備を手伝いましょうと、上市町神田の柳瀬文作さん、柳瀬正俊さんが呼びかけ忙しいなか、お母さんたちが来て下さり、在所の酒井さんといっしょに大根、里芋など、おいしく煮込んでいただきました。翌日は、小出、田伏の方々がお手伝いしてくださいました。ありがとうございました。

●例年になく十一月は冷雨ばかりでしたが、ご門徒の報恩講を体調崩さず参ることができました。その節は本山、玉永寺維持費等いろいろとご配慮下さり有り難うございました。その上本山両堂の屋根修復工事の貯金箱をお渡し致しました。どうか趣旨をご了解下さり協力のほどお願いします。

● 寒さが厳しくなってきます。皆様充分御自愛下さることを念じています。合掌