空を飛ぶ夢
DVD化されるまで映画の方は見れそうにないので、本を先に読むことになった。ブログとかを読むと「ミリオンダラーベイビー」は安楽死について肯定する感想が多いのに「海を飛ぶ夢」は慎重派が多い。この違いはなんなのか、気になるので映画も見てみたいと思っている。
さて、生命倫理などに関連する議論には、命の価値が序列化されてしまうという観点がある。特に臓器移植について顕著になるのが、移植を待つ患者の優先順位を、誰が、どういう基準で、どのように決めるのかという手続きの問題だ。関連して、臓器売買という経済の序列によって、手に入れられる人、入れられない人が分けられるのは、なんだかあからさまじゃないかということもある。
それでも、命の序列化についての問題なら、初回の電車男にもでてきた「あんた、生きてる意味、ないんじゃない」なんてセリフにいかにノーと答えるかなんで、それなりに考えやすい。だが、「海を飛ぶ夢」のほうは、死にたいといってる人にどう答えるかということで、混乱する。著者は、尊厳死を阻むために、国、司法、宗教者が結託していると言う。この論理だと、権力がハンセン病患者・回復者隔離を推進した構図に、そのまんま重なってしまう。
流行の自己決定や自己責任という考え方に基づくならば、自殺権について他人は沈黙するしかない。しかし、それでいいんだろうか。さっぱり分からない。。。

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